蜩一句

自作の川柳と絵画と写真のページです

写真

昨日より小さくなって戻る傘

世間から浮いてぼっちの屋根の上

ばあさんになった 大人になる前に

行く末は自分で選ぶ阿弥陀籤

一週間かかって思い出す「昨日」

黄砂降る 急に華やぐトタン屋根

満月が照らす私の曲がり角

ベッドまで纏わり付いて来る 昨日

愛情の重さに泣いた冬だった

君ならば出来ると言われたい君に

潰れたと聞いて俄の雪下ろし

もうマスク外す素振りの曲がり角

お向かいの卒寿の屋根も雪五尺

待ってさえいれば来るのが春だった

棘だけはいつも元気な薔薇の花

宇宙まで走る元気がある ウワサ

豪雪や 愚痴は言わない晴れ男

八百万の神が見守る雪下ろし

豪雪の隙間に覗く青い空

不甲斐なさ嘆くばかりの流雪溝

豪雪の流雪溝 のような彼

ヒョウ柄のセーター ジビエ雑煮鍋

期待して期待通りになる今年

七面鳥命拾いをして聖夜

赤鼻のトナカイ雌と知るや君

ピンライト丸い背中が的になる

生き残る事を考えだすシッポ

忠告は聞かず飴だけ強請る人

恋かしら避けて通れぬ水たまり

総理出て過疎の村にも架かる虹