蜩一句

自作の川柳と絵画と写真のページです

2006-01-01から1ヶ月間の記事一覧

目が慣れて やがてハートも慣れて闇

「アイラブユー」ティシューのように渡される

母の母そのまた母の私の手

見失うほどに見つめている背中

凍蝶の消えた辺りに在る気配

丸齧りされた林檎の甘い夢

虫ピンに罪はないわというアゲハ

背負う気になればまだまだ軽い愛

雪頻り 連絡を乞う愛を乞う

距離を置くつもりないけど丁寧語

いつの間に抱えきれないほどの愛

電話の前 往ったり来たり触ったり

うつつでは罪びと お詫び申します

信号の赤より青が憎い朝

カーテンを閉めて蛍になる私

足跡をいつまで抱いているの 雪

境界線 越えて私の雪になる

愛捨てて恋を選んだホッカイロ

いつか来る春ならすぐに待たせずに

蜜柑ころころ 此処から母と違う道

君に逢う時はいつでも恋の顔

ハート型 四角多角で愛は来る

疎まれる雪 愛される雪だるま

雪月夜 君はどちらで蜜柑むく

疑問符は付けぬ 私の愛だから

赤い服 脱いだら消えてゆく私

カラス湧く 愛の疵口綻びて

ミルクティー冷めて独りの夜が好き

大切なものまで失くす雪の中

神様の絵の具箱から白を抜く