蜩一句

自作の川柳と絵画と写真のページです

2008-01-01から1年間の記事一覧

とにかくも牛の背に乗る「今年こそ」

胸底に片付けられぬ椅子ひとつ

現実の厳しさだけを知るシャベル

道行きに明日の見えない猛吹雪

掻っ攫うつもりでやってきたサンタ

約束の「落ち」を待ってる4コマ目

自分にも時々付ける二重丸

黙ってるだけじゃだめだよ林檎でも

身動きがとれない箱に詰められて

行く末を計りかねてる レベル3

丸くなってしまった 楽になりたくて

みんな丸のふりしてお友だちごっこ

寂しいのは大きな箱の中だから

箱ひとつ探して急ぐちぎれ雲

透明になって抜け出す袋小路

この先は何が起きても夢の中

聞こえたというなら神の声じゃない

追いかけてきたのは不安だけだった

素顔には なれない訳のあるパンダ

開けてみるまでは私の箱だった

ゴミ箱の中では愛も恋もゴミ

山積みにしておく 風が攫うまで

遠い日の母に近づく母の道

飛んでます 矢でも揶揄でも持って来い

逢いたいと磨いて曇る冬の窓

いつかあの虹も切り取る花鋏

長靴に収めし脛や 冬の陣

往ったきり それならそれでいい旅路

点滴管 伸ばして宇宙までの旅

決心がつかぬ 靴紐むすんでも