蜩一句

自作の川柳と絵画と写真のページです

2017-01-01から1年間の記事一覧

社長似のピーマン刻む腹の虫

澄ましてる フリルは揺れるものだから

台風の目に睨まれる向かい風

アイラインきめて台風やって来る

故郷を担いで曲がる老いの腰

ひとりっ子ふるさとの荷が重すぎる

窓ガラス磨いて空を青くする

悪い虫ばかり入ってくる網戸

謙遜をしながら育つ茄子トマト

目覚めても指で光っているダイヤ

四季島もひょっこり寄った西馬音内

ふる里は縮んだだけで変わらない

遠花火 こちら災害避難指示

ダンゴ虫 転んで目指すユートピア

山越える度に夕日が昇り出す

一線の有りや無しやを問わぬ水

病気なら仕方がないと許すハメ

サボテンを育て心のトゲを抜く

遠雷や兄の怒りはまだとけぬ

水底でまだ待っている避難指示

惨敗の恥を晒して干すタオル

胸底に秘める溶けない角氷

大花火 村の祭りの語り草

(迷宮)と書いて知らせる会社名

大鉢に移せば褪せる青い花

死ぬ時は言おうと決めている言葉

騙されて騙されながら老いてゆく

見る人が見てもわからぬ裏表

色付きの風が吹き込む道の駅

快感になるまで傷に塩コショウ