蜩一句

自作の川柳と絵画と写真のページです

2005-01-01から1年間の記事一覧

また泣いて 雨に涙を拭われる

風下に立っても負けたわけじゃない

もう右に曲りたくないアミダクジ

振り向くな 手を振る人はもういない 

目を閉じる 君は私のものになる

ささやきに酔うて外れたイヤリング

愛されてどこまで融ける胸の棘

夜明け待つあなたが来ないはずがない

たくさんの独りが灯す街あかり

やるせない捨てて拾っているティシュー

かたすみに愛が飾ってある机

真っ新なキャンバス憎さ増すばかり

やわらかい猫はやさしいポケットに

現実と夢の狭間の光る山羊

林檎には秘密のヒミツあって赤

稲光 夢かも知れぬ本気かも

言いたい事あった グラスが割れた朝

ほろ酔いの坂を上れば月の家

アイラブユー確かに酔っていますけど

チョコケーキ私も愛も太りだす

手紙からアとイをさがす虫めがね

アスファルト血の海にして紅葉ゆく

持ち物が増えて捨てたくなった恋

ややあってラストシーンはそのままに

ラブレター出すのはいつも私から

机上では愛は澄ましているばかり

いただいた句集にまぶす黒砂糖

夏の日の微熱が続く冷蔵庫

居直った時から赤は赤になる

三叉路の左は少し上り坂