蜩一句

自作の川柳と絵画と写真のページです

2005-01-01から1年間の記事一覧

欲張って小さい箱を開けてみる

シナリオにない水ばかり飲んでいる

これが恋ほのかに甘い塩昆布

熱さまし効いて反省してばかり

平熱に戻り時計が回りだす

そんな日もあったは三日前のこと

君を抱き渡ってみせた丸木橋

伏線は敷いた窓辺の赤い花

引く気配見せて芯から溶かす熱

すべて好きなんて私も言うじゃない

秋風は熱のあるふりしてただけ

簡単にくずしてしまう泥だんご

愛されて林檎の顔に浮くエクボ

なにひとつ私のものでないあなた

聞きたいと思う言葉を言ってみる

勝ち組のトンボ往ったり来たりする

あの人が見ている方に動き出す

振り向いてあなたに返す鍵がある

内視鏡 ほんとは誰が好きですか

恋に句読点なんか付けられない

昼の蛍 これがほんとの私です

困らせてやろうかなんてキスマーク

真っ直ぐに私に飛んで来いアゲハ

鱗粉を浴びて眠れぬ夜となる

今朝もまた見つめ合うのは目玉焼き

好きですと言ったつもりの「キライだよ」

誰が見ても私幸せそうな人

母さんの匂いだ 風を抱きしめる

ハイヒール履かない足のままでいる

無洗米 母の小言が聞こえそう